スーパー大手のベイシア(群馬県前橋市亀里町、相木孝仁社長)創業地の店舗として知られる伊勢崎市中央町の「ベイシアIS伊勢崎店」が29日閉店し、34年の歴史に幕を下ろした。この日は多くの市民らが買い物に訪れ、家族や友人と思い出に浸った。閉店セレモニーでは相木社長や店舗スタッフが長年の感謝を伝え、来店客から惜しみない拍手が送られた。
同店は1989年、前身の「いせやIS伊勢崎店」として開業。98年にベイシアに店名が変わり、現在の4階建てで衣食住の商品がそろう形態で営業した。文化施設を備え、芸術活動を楽しむ地域住民にも親しまれた。店舗の老朽化などを理由に、今年6月に閉店を発表していた。
午後5時の閉店前に正面入り口で開かれたセレモニーには、200人以上が詰めかけた。相木社長は「ここまで成長できたのは常に地域の皆さまに支えられ、温かく迎えてもらったおかげです」と述べた。店舗の跡地利用については「何とかもう一度、この場所で商売できる道がないか検討したい」と語った。40人のスタッフらは思い出を振り返って感謝の言葉を語り、34年間の最後を締めくくった。
船渡川隆一さん(74)=同市八坂町=は、孫の悠輝君(11)、結衣さん(9)と来店。「いせや時代から3世代で通わせてもらい、楽しい思い出ばかりだった」と目を細めた。友人と訪れた真下昌子さん(58)=同市上田町=は「買い物やフルート教室など多くの場面で利用した。閉店はやっぱり寂しい」と話した。