11月に入り、いよいよぐんまマラソン直前。大会の前はどんなことに気を付けて過ごせばいいのか。子どもや学生、社会人に長距離の走り方を指導するNPO法人「上州アスリートクラブ」(群馬県高崎市)のヘッドコーチ、荒井崇さん(53)=同市=は「なるべく普段通りを心がけて。疲れを取って万全の状態で臨めるよう備えてほしい」とアドバイスする。

マラソンは大会直前に無理に追い込んで走っても、かえって成果が得られないという。ただ、特にマラソン初心者はどうしても大会前に走りすぎてしまう傾向がある。荒井さんは大会1週間前からは、体を慣らす30分程度のジョギングや散歩程度で十分とする。「しっかりと疲労を抜くのが重要」と強調する。
休養には睡眠が大切になる。「どれだけ練習をしても、不安になるのは仕方がない。本番のことを考えすぎて、眠れなくなってしまうこともある。眠れないときは横になって目を閉じ、体を休めておけばよい」とする。
食事も普段通りが原則。食べ慣れたメニューの中で炭水化物、タンパク質をバランスよく取る。ただ、大会前日と当日は消化の悪いもの、油っこいものは避けた方がよい。
大会当日はスタートの1時間半から2時間ほど前の会場入りが理想という。友人と一緒に出場する場合は気楽におしゃべりしながら、体操やストレッチ、ジョギングで体をほぐしてリラックスするといい。スタート前まで体を冷やさないようにするのがポイントだ。

レース本番では自分のペースを守って走る。初心者だと、周りのペースや制限時間、関門が気になってしまうが、「とにかく落ち着いて走るのが大切」と繰り返す。
坂道など、途中で歩くのは悪くない。ただ、「一度止まってしまうと、筋肉が固くなり、もう一度動き出すのがきつくなる。なるべく完全に止まってしまわないようにしたい」とする。
ぐんまマラソンのラスト2キロ、県庁前を過ぎ、日本トーターグリーンドーム前橋から正田醤油スタジアムに向かう利根川沿いは通常、向かい風になるケースが多いという。「最後の難関。力を振り絞って乗り越え、ゴールを目指してほしい」とエールを送った。