車道で座っていた90代の女性を移動させて事故を防いだとして、群馬県警桐生署は1日、いずれも桐生市に住むアルバイトの神山静香さん(35)と、群馬大理工学部3年の柳沢蓮さん(21)、水野悌波さん(21)、堀米駿吾さん(20)の4人に感謝状を贈った。
10月2日午前0時35分ごろ、神山さんは仕事を終え、同市広沢町の県道桐生伊勢崎線を桐生市街地方面へ向かって軽乗用車を走らせていた。赤信号で止まろうとしたところ、反対車線の道路に高齢の女性が座っているのを発見。すぐに停車し、女性に駆け寄った。後続車の柳沢さんら3人も加わると、神山さんと水野さんが女性に肩を貸して道路脇の安全な場所に移動させ、柳沢さんが110番通報して状況を説明。堀米さんは女性に声をかけ、駆け付けた署員に引き渡した。女性は救急車で病院に運ばれたが、けがはなかった。
女性は市内に住む90代。認知症があるものの、1人で暮らしていた。この夜は親族が様子を見に来て、女性が寝付いたのを確認したが、その後外出したという。
現場はカーブで見通しが悪く、対向車が気付かずに女性をはねる恐れがあった。神山さんは「本当にびっくりした。自分にも年齢の近い祖母がいて、放っておけなかった」と振り返った。柳沢さんは「一人では何もできなかったが、みんなと一緒に動くことができた」と話した。江原勝則署長は「4人の協力のおかげで、女性を無事にお返しすることができた」とたたえていた。